数式の美しさ

高校生のころに「これでも正解だけど、こう解いた方がきれいだよ」と教えてもらった経験がある人は多いと思う。当時の私は「そりゃきれいなのはわかるけど、そんなの思いつかないよ。解ければそれはそれでいいじゃないか」とちょっとふてくされていた。

でも、学生のときに「そりゃきれいだけど」と思える感性を育んでもらってよかったと感じる。仕事柄、たいしたプログラミングはしない代わりに、エクセルは使う。エクセルの関数を組むときには、美しくわかりやすい式を心がけている。その方が他人が見たときに理解しやすいし、修正しやすいからだ。

また、「公式を丸暗記するだけだと応用が利かない」という教えもエクセルに置き換えるとよくわかる。ふだん自分が使わない関数をググって使ったときの式の汚さと言ったら、ない。とりあえず求める値は返ってくるものの、自分が書いた式の意味がわからず、直しようもない。これではダメだ。

たしかに、汚くても答えは出るけれど、それでは困る。もっと美しい式を書こう。こういうみずみずしい感性を開いてくれる数学の先生は素敵だ。