12月のたそがれ

その空がいちばんきれい。

ルイボスティー

ルイボスティーを初めて飲んだのは、まだ学生だったころ、家庭教師のお宅で夕食後の歓談をしている時だった。

当時のわたしは、下宿から往復3時間電車に揺られて、3人姉妹を教えに行っていた。長女はテコンドー、次女は薙刀、三女は空手という武闘派姉妹である。

お母さんは気立てのよい方で、家族そろっての晩ご飯の席に毎回招いてくれた。そこで初めて食したものは、なかなかに多い。手作りのキッシュ、湯引きした鱧、てっちり鍋(これは外食)。見たこともない立派な食卓は、もちろん、裕福な家庭ということもあっただろうけれど、このおうちの、食を楽しむ気持ちの表れだったように思う。

ルイボスティーは、その頃今ほどメジャーな地位にはなく、まだまだ変わりものだった。身体にいいみたいよと勧められて、飲んだ。甘みがあるが、どこかえぐみのある、正直言ってあまり好みではない味。それでも、毎回出してもらうコーヒーが苦手だったわたしは、それ以来ルイボスティーをもらうようになった。

その甲斐あってか、今ではパック詰めを買って、こうして毎晩飲んでいる。ビバ、ノンカフェイン。今ごろあの一家はどうしているだろう。こうしてたまに、思い出す。